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博士学生その後の現状:将来に不安を抱えながら研究に励む毎日

2017/09/24

 大学院の博士課程を修了後、大学などでの常勤職を目指しながら、非常勤講師や任期制のポスドク(博士研究員)として働き続ける人が少なくない。これに焦点を当てた朝日新聞(9/24)よれば、将来に不安を抱えながら研究に励む博士学生の現状を知ってもらおうと、日々の生活や修了後のキャリアパスに焦点を当てた書籍や冊子が登場している。昨年12月、雑誌「博士世界」が創刊された。企画したのは、東京大や東京工業大の大学院生ら4人。きっかけは、進学後に理想と現実のギャップや、世間からの無理解に悩む博士学生の姿を度々見かけたことだった。大上真礼(おおうえまあや)編集長(29)は、東大大学院教育学研究科の博士課程に所属し、今春からは和洋女子大で任期制の助手としても働く。

 文科省が発表した今年度の学校基本調査(速報値)によると、博士課程への入学者数は1万4766人。10年前より2000人以上減った。背景の1つには進路への不安があると思われる。今年3月までの1年間の博士課程修了者のうち、進学も就職もしていない人の割合は18.8%になる。同省科学技術・学術政策研究所の「科学技術指標2017」では、日本の人口100万人あたりの博士号取得者数は121人にとどまる。

 

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