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学園祭シーズン:近年は期間や規模の縮小傾向、「就活熱」「学業重視」の時代

2017/10/22

 秋も深まり、各大学は学園祭シーズンの真っただ中。ゲスト出演する芸能人の情報が話題を集めるが、近年は期間や規模を縮小する大学も増えている。これを報じた毎日新聞(10/22)によれば、背景には、学生の意識の多様化や講義時間を確保したい大学側の思惑など最高学府を取り巻く環境の変化がある。10月15日、大阪府茨木市にある立命館大大阪いばらきキャンパスで開かれた学園祭。雨の中、サークルなどの模擬店が立ち並び、学生が来場者に盛んに声を掛けていた。今年度の学園祭は、大阪、京都、滋賀にある3キャンパスで1日ずつの計3日間。昨年度は滋賀県のキャンパスで1日だけの開催としたが、他の2キャンパスから「自分のところで開かれないのは寂しい」との声が多く、日程を戻した。ただ、運営する学生の負担は大きい。

 神戸学院大は学生の負担軽減などを図ろうと、4日間だった学園祭を今年度は2日間に短縮する。大学側の事情もある。6月上旬に開催している北海道大は今年度から、講義日数の確保を図るために、学園祭を1日縮めて3日間とした。文部科学省が主導する大学改革によって、省令が定める講義日数の確保が徹底されるようになり、カリキュラム編成が窮屈になっていたという。厳しい環境下でも、日程を維持・拡充する大学も。昨年度は延べ8万人が来場し、「西日本最大級の学園祭」とうたう関西大は「学生の意向を尊重する」として従来通り4日間の開催を継続する。明治大は今年度、講義時間を1コマ90から100分に変更して回数を減らした結果、計6日間の開催日程に加えて、準備や片付けに充てる日も確保できたという。

 

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